小林芳弘税理士事務所

わたしのひとりごと


理士になり、国税職員だったときと、ちがう日々を過ごしています。
そんな日々の中から気になったことを紹介していきます。

志垣太郎さん
 先日、月刊マスターズの取材に俳優の「志垣太郎さん」が当事務所にお越しくださいました。
 テレビ等で見るとおり、誠実な人柄がオーラとなって輝いていました。
 私が国税出身の税理士ということもあり、税金の話しで盛り上がり、対談もあっという間に終わりを迎えました。
 私も志垣太郎さんのように、謙虚で誠実な人になりたいと思ったひとときでした。




相続税の評価について

 国税職員の時は、当然ながら調査に重きを置いていたため、何か申告もれはないかという目線で申告書を見ていましたが、税理士になれば土地の評価ひとつから注意して申告書を作成していきます。これがなんとも初心者のようで、「これどうだったかな、あれどうだったかな」とひとつ評価するにも確認また確認。税理士さんって大変だったんだなと痛感しています。
 最初に戸惑ったのが、土地の評価単位です。土地を評価するにはそれぞれ現況の地目ごとに評価します。さらに借地権などの権利が付されていないかどうか、また共有者はいないか、間口や奥行きなどの長さはいくらか等々、確認にかなりの時間を要します。それらの事実を基にパターンに分け評価していきますが、ひとつとして教科書に載っているような綺麗(真四角や直線的な境界)な土地はありません。結局これが妥当だろうということになります。そこまでやっていれば税務署も指摘はしないでしょう、ねっ。


相続税の申告書の作成までの苦労

 いざ自分がいちから申告書を作成しようと思っても、完成するまでには、依頼者から本当のことを聞いていかなくてはなりません。
 しかし、これが意外と難しい!なかなか本当のことを言ってくれず、こちらから、「こんなものなかったですか?」と国税職員だった頃の感を働かせ聞いてみると、「あ〜、あったかも」と忘れてたふり。もう、ちゃんと言ってくださいよ、と思うも顔では笑顔(^‐^;)
 また、相続税は、同じ親兄弟でありながら考えが違い、ましてや財産の取り分ともなると、本当に「争族」。先月は、「お母さんが全部相続すればいいじゃない」、と言っていたのが、「やっぱりこれは私が欲しい!」とひとりが言い出すと、他の兄弟も「私もやっぱり欲しい」という始末。何度相続税の申告書を作っても、またご破算。「なんど作ればいいんだ!」って叫びたくなりますが、そこは仕事しごと。申告書提出まであと少しがんばろ〜。


申告財産がグレーなときはどうなの?

 相続税の申告で財産がグレー(家族名義預金、土地評価等)な場合、申告すべきかどうかよく悩みます。当然あれこれ調べたうえでのことですが、こんな場合は加算せず、税務署に調査していただき、是正すべき事実が新たに判明すればそれを吟味し、納得ある内容なら修正申告し、納得できるものでなければ更正してもらいましょう。当然最初に申告する際にはお客様に加算税・延滞税のリスクは説明しておきますが・・・。
 よく、高め(多く)に申告しておき、後から更正の請求(税金を下げてください)を出して認めてくれればラッキー、認めてくれなければダメでした、という税理士もいらっしゃいますが、税務署としては最初に申告されているものを是正(家族名義の預金が漏れています等)するというのは結構エネルギーがいるものです。それにひきかえ後から出して(更正の請求)くるものを否定するのはそれ程エネルギーを使いません。そのことを考えると、無理に多く申告せず、調査していただくのがいいのでは・・・。